規模の大きなところ、小さなところにはそれぞれに良さがあります。
2016/05/10
私の母親は以前、パンの小売店を経営していました。
自分のところで焼いて販売するのではなく、仕入れたパンなどを販売するお店です。
中学校も近くにあり、開店した頃はそこそこに売り上げがありました。
近所の皆さんも来てくださり、時には困りごとの相談も受けていました。
ところが、近所にハンバーガーショップができました。その上、中学校の前の喫茶店はお弁当を販売し始め、お昼頃には移動式のパン屋も中学校にやってくるようになりました。
次第に売り上げも減少しました。その頃、父親の病状が悪化したので、その折に廃業することを決めました。
私たちが子供の頃には、個人商店の小さなパン屋さんは町中に結構あったと思います。
たいていは、おばちゃんやおばあちゃんが一人で店番をしていて、駄菓子やジュース、夏にはアイスクリームを買った思い出があります。
しかし、今、都会ではなかなかそういったパン屋さんを見かけることができなくなりました。
パンもお菓子もジュースもアイスクリームも、スーパーマーケットやコンビニで購入するようになりました。
パン屋さんで買ったハンバーガーは冷たくなっていますが、ハンバーガーショップに行けば、それよりも安価で温かいハンバーガーを購入できます。
自分のところで焼いたパンを販売できるパン屋さんはともかく、仕入れて販売するパン屋さんは都会ではもう時代遅れになってしまったかのようですね。
パン屋に限らず、個人商店はどこでも厳しいと思います。
電気店もそうです。いつの間にか個人商店は次々に廃業し、家電量販店やホームセンターなどで購入するしかなくなりました。
お米屋さんもそうですね。個人商店のお米屋さんに配達してもらっていたのですが、そのお店が廃業すると、次に配達しくれるお店を探さなければならなかったです。
気付けば、欲しいものがあれば大型小売店か通信販売か。確かに品揃いは豊富です。価格も安かったりします。
でも、個人商店には個人商店なりの良さもあったと思います。例えば、商品をただ単に買うだけではなく、色々と話をしたり、時には相談もしたり、個人的に親しいお付き合いもしていたと思います。
行政書士事務所にしても保険代理店にしても同じだと思います。規模の大きなところも小さなところもあります。
大きなところには大きなところの良さ、小さなところには小さなところの良さがあるでしょう。
私は母のパン屋のような、気軽に声をかけて頂けるような事務所を目指しています。