大阪市のうえだ行政書士事務所です。成年後見制度の利用には時間がかかります。

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大阪市のうえだ行政書士事務所です。成年後見制度の利用には時間がかかります。

2019/09/19

大阪市のうえだ行政書士事務所です。成年後見制度の利用には時間がかかります。

大阪市のうえだ行政書士事務所です。

代表者の上田桂子です。

 

入院中の高齢者の方が認知症になり、ご家族もおられないため、預金は充分にあっても病院の費用を支払うことができなくなることがありました。

知人の方がその現状を知り、当事務所にご相談をくださいました。

しかし、病状が進行していたため、成年後見人を選任する申立てが間に合わず、その方はお亡くなりになってしまいました。

 

認知症などで既に判断力が低下された方の場合、成年後見制度を利用しようとすると、家庭裁判所に後見人等の選任の申立をします。これを法定後見と言います。

ご家族・ご親族の方で申立てをしてくだささったり、あるいはご本人さんがまだご自分で申立てが出来る状態の場合は良いのですが、申立てをする方がいらっしゃっらないと、まずは申立てをして下さる方から探すことになります。

更に、申立てをする方がいらしゃっても、戸籍謄本等の必要な書類を集めたり、ご本人の財産・収支を確認したり、お医者さんに診断書を作成してもらったりするので、少し時間がかかります。

家庭裁判所に申立書類を提出してから面接まで1〜2週間、面接から審判が下るまで2週間程(親族間に争いがあるなど時間がかかるケースもあります)、そして審判が確定するまで2週間。これからやっと後見人が後見を始められます。また、鑑定が必要になれば、更に時間がかかります。

法定後見は、申立ての準備を始めてから後見を開始できるまで、数か月から半年ぐらいはかかるとお考え頂いた方がいいでしょう。

 

法定後見とは別に、判断力が十分にあり契約が可能な間に、ご自分が選んだ人と、将来もしも自分が認知症などになった時になった時に後見人になってもらう契約を結んでおくこともできます。

これを任意後見契約と言います。

法定後見では、一度もあったことのない専門職の後見人が選任されることもありますが、任意後見では自分が選んだ人に後見人になってもらうことができます。

判断力が確かな間に、例えば延命治療をどうするかなど、自分の希望などを伝えておくこともできます。

また、認知症などにならなくても、お体が不自由になって自分で金融機関へ行ったり支払いをすることが困難になることもありますが、そういった場合に備えて財産管理の委任契約を同時に結ぶこともできます。

更には、亡くなった後の葬儀や納骨、諸手続きをしてもらう契約も同時に結べませす(死後事務委任契約)。

 

 

病状が進行してからでは、法定後見では間に合わないこともあります。

まだ判断力が確かな間に、自分のことを良く知っていてくださる方と、将来もしもの場合に備えて任意後見契約を結んでおかれることをご検討されてはいかがでしょうか。

 

なお、任意後見契約は公正証書で作成し、もしもの場合に後見人になる人(任意後見受任者)は登記をしなければなりません。そして、任意後見受任者が任意後見人になり、後見を行うためには、家庭裁判所に申立てをして、家庭裁判所が任意後見監督人を選任しなければなりません。

費用等も含めて、詳しいことは当事務所にご相談ください。